古来、非常にとうとばれた集であり、
許六は「前猿蓑は俳諧の古今集也、初心の人去来が猿蓑より当流俳諧に入るべし」(「宇陀法師」)といい、
支考は「猿蓑集に至りて、全く花実を備ふ」(「発願文」)といい、
風国は「正風の腸を見せ」(「伯船集」序)といい。
曲斉は「風調は地を専にして風韻を主とし、高雅なるもの、「冬の日」に似ず、曲節なるもの「ひさご」に反して、ひとり当時の一体と見れば、世挙て俳諧の花実全備たりと称して、ここにとどまることしばらくあり」(「婆心録」)というように、わびさびのもっとも円熟した時期の集であり、真に幽玄閑寂の風をあらわし、発句、連句ともに天下の亀鑑であるとされる。