「
詩」は通常、規則的な、詩法に基いた
韻律のある文学ジャンルであるため、定型を持たない文章を意味する「
散文」と組み合わされた「散文詩」という言葉は、本質的に語義矛盾の関係にあるが、そこにこそ散文詩の特質がある。例えば
フランス語で散文詩はPo?me en proseと表記されるため、「散文で書かれた詩」と理解されうる。つまり、これは「詩」であるから、一般的に認知されているような「詩的な散文」とは、本来的に厳密に区別されるべきものである。
しかしその境界は非常にあいまいで、何をもって「散文詩」というかは不明瞭であり、厳密な定義は難しい。特徴として比較的短い散文で、詩に見られる論理の飛躍・詩的な
レトリックを用いたものなどを散文詩とみなすことが多い。だが、例えば
川端康成の「
掌編小説」を散文詩と呼ぶべきかどうか、という問題もある。極めて短い小説と散文詩の区別はほとんど不可能と言える。逆にこの問いは「小説とは何か」という問いにも関わってくるだろう。