未発表の作品に与えられる賞(新人賞)の一種だが、特に応募期間が設けられていないこと、枚数の上限が設定されていないこと、『メフィスト』の編集者が下読みから受賞の決定までをおこなうことが、他の公募文学賞とは異なっている。すなわち、編集者の目に留まった作品はすぐにでも出版される可能性がある。
いわば「
持ち込み」を制度化したような賞であり、この賞の創設には、持ち込みによってデビューした
京極夏彦の存在が大きい(このため、しばしば京極夏彦を「第0回メフィスト賞受賞者」とすることがある)。また、
森博嗣を衝撃的にデビューさせるために設けた賞、とも言われる(だが、森の前に二人投稿者がいるので必ずしもそうは言えないだろう。詳しくは
1996年1月号の『メフィスト』、あるいは『講談社ノベルス20周年記念密室本』を参照)。
「究極のエンターテインメント」つまり面白ければ何でもありというキャッチフレーズで作品を募集しており、従来の
推理小説や
サイエンス・フィクションにはおさまりきらない個性的な作品が集まる。事実、この賞でデビューした小説家(「メフィスト賞作家」と呼ばれることがある)は「一作家一ジャンル」といってもよいほど個性的な作品を書くことが多い。第1回受賞者である
森博嗣の受賞作『
すべてがFになる』が本格ミステリであったのに対し、続く第2回受賞者
清涼院流水の受賞作『コズミック 世紀末探偵神話』があまりに奇抜な作品であったこと、また第3回受賞者
蘇部健一の受賞作『六枚のとんかつ』が下ネタなどのオンパレードであったことから、一時期「メフィスト賞はイロモノではないか」という噂が立ったことがある(その後、
殊能将之、
古処誠二 などの受賞により評価は再浮上する)。