当時のヘッセは仕事の苦悩や祖国からの評価そして肉親の死など様々な悩みを抱えていたが、
ユングの弟子たちの助けを借りながら精神の回復を遂げる。その結果、誕生した作品が深い精神世界を描いた作品、『デミアン』である。ヘッセの作品では初めて、「自己を追い求める」といった主題を取り扱っている。ヘッセの作風が一変した作品であった。
小さな町の
ラテン語学校に通う10歳の主人公シンクレールは些細な理由で悪童クローマーに脅されてしまう。深く苦しんでいたシンクレールはある日彼の町にやってきたデミアンに救われる。デミアンは彼に
カインについて、そして二つの世界について語った。そして語られた二つの事は成長後のシンクレールに大きな影響と迷いを与える事となった。