ブリタニカ百科事典第11版によると、建築業者アンドリュー・ロビンソンによって建造され、1713年に
グロスターで進水したものが最初のスクーナーと呼ばれた船であるという。「スクーナー」という名前は、見物人が叫んだ「Oh how she
scoons[scoon : スコットランド語で、「スキップする」あるいは「氷の上を進むように」という意味である。]」という言葉が由来であるという。それに対しロビンソンは「A schooner let her be」と言ったという
[Babson, John. History of the Town of Gloucester, Cape Ann, including the town of Rockport. 1860. p.251-252.]。
ウォーター・ウィリアム・スキートによると、
schの綴りが
オランダ語や
ドイツ語のスペルから取り入れられるまでは「
scoon」であったという。
ただし、アメリカの帆船研究家チャベルによると、それ以前に
縦帆だけの帆船の絵が発見されているため、ロビンソンがスクーナーを発明したというのは後世の作り話だろうとしている。また、18世紀の始めには同様の帆装のアメリカ沿岸用の帆船に使用されており、ロビンソンが少なくとも「スクーナー型の帆装の発明者」とは言えない
[クリッパーへの道 山形欣哉 (スクーナー) Hobby Japan 1976 4]。
スクーナーは2本以上の
マストを持ち、最後部のマストが最も高いか、もしくは全て同じ高さとなっている。伝統的なスクーナーは最前のマストに
ガフセイルを持つ。まれにガフセイルと同時に、上部に
横帆のフォアコースセイルが張られる。横帆を持つスクーナーを
スクウェアトップスルスクーナーと呼ぶ。前衛的なスクーナーは、マルコーニ帆装あるいはバミューダ帆装であるかもしれない。
バミューダ海域では、バミューダ帆装されたスクーナーが
19世紀前半まで使用された。バミューダ帆装のスループは、ガフもしくはバミューダ帆装の1本マストの船(バミューダスループ)と併せて
Ballyhoo schoonersとして知られていた。そのタイプの有名な船は、英国軍艦の
ピッキー()である。また、一部のスクーナーはメインマストにバミューダ帆装をもち、フォアマストにはガフセイルを持っていた。ステイスルスクーナーはフォアセイルを持たない代わりにキャリーセイルとメインステイセイルを持つ。
スクーナーは、他のどの国よりもアメリカ合衆国で使用され、また北ヨーロッパでも人気を得ていた。中でも2本マストのスクーナーが一般的で、少数の船員で帆の操作が行えた。また、逆風時の速度(海流の強い海域での陸岸に対して)が要求される場面、沿岸航行の商船や
漁船などの用途で広く使われた。
チェサピーク湾周辺では複数の特徴的なスクーナータイプへと進化を遂げた。
ボルティモアクリッパーなどがその例で、マストの数が既存の例よりも格段に多かった。小型のスクーナーは2本または3本のマストであることが一般的であったが、これらの船は6本または7本のマストを持っていた。1902年に建造された、唯一7本ものマストを持つ鋼のスクーナー()は、全長120m高さ47mと最大級で、25枚もの帆を持ちその面積は4,000m?にも及んだ。
スクーナーは、遠洋航海から沿岸や内陸水域まで、幅広い環境で船荷の輸送に使用されている。スクーナーは北アメリカ大陸で広く使用されており、1800年代の全盛期には、2000隻を越えるスクーナーがアメリカ
五大湖を横断して船荷を運んでいた。3本マストの「ターン」は、カナダの沿岸諸州で好まれていた艤装である。2本マストのスクーナー
ブルーノーズは、極めて有名である。